背骨の最上部にあるのが頚椎、つまり首の骨です。頚椎ヘルニアではこの骨に異常が起こるのが発端ですが、頚椎はどのような役割をしているのか、といえば、まず重い頭を支えるための要であると言えます。
頭の重さは、大部分の方にとって普段感じているよりも重いものです。成人であれば約6キロはあると言われる頭を支える骨は、筋肉のサポートも重要です。筋肉がしっかりと支えることで、骨は常に頭部をしっかりと支えることができるようになります。
またもう1つ、頚椎には重要な役目があります。それは脊髄を保護することです。脊髄とは神経です。手足に枝分かれする沢山の神経が集まっています。つまり脳と身体の末端を含んだ各部位との仲介が脊髄です。
また上から頚髄、胸髄、腰髄、仙髄、とそれぞれに役割が違いますが、首の脊髄である頚髄がヘルニアによって圧迫を受けると、主に肩や腕、手先などにしびれの症状が起こります。
また脊髄は頚椎が構成する脊柱管の中に納まっていますが、この脊柱管が生まれついて狭い方もいます。またこの場合は通常よりも管の中が狭いため、ヘルニアがちょっと出ただけでも神経症状が出やすく、通常の人よりもより細かい予防策が大切です。
ヘルニアは椎間板が変性を起こす病気ですが、脊柱管と椎間板の距離はとてもわずかです。それだけに姿勢の悪化は大きく響きますし、とくに40代からの発症率が高いといわれる年代の方には大切なことです。
まず姿勢を正すためにはデスクワークをされている人は合間を見てストレッチや簡単なエクササイズを用いることが有効ですし、立ち仕事をされている人も首のストレッチは重要です。重いヘルメットを被って工事現場にいる人ももちろんです。
最近は工事をしている人もヘルメットを軽めのものにするケースが多くなっていますが、下を向いてすることが多い仕事ですので、やはりそれだけでは予防策としては不足しがちです。脊髄は一度ダメージを受けるとなかなか復旧できませんので、QOLの向上のためにも大切です。